大好きな映画『アメリ』のオドリィ・トトゥが主演ということで
観てみたかった映画。
タイトルと、雰囲気から勝手にラブロマンス(小悪魔系な)だと思ってたんですが
実際観てみると、物凄い社会的な映画で吃驚した。
内容は
イギリス、ロンドン。
ナイジェリアからの不法入国者で、元医者のオクウェ(キウェテル・イジョフォー)とトルコからの移民シェナイ。
彼らは同じホテルでフロント、メイドとして働きながらルームシェアをしている。
そんな中、オクウェはホテルの部屋の詰まった便器の中から、人間の心臓を見つけてしまう。
ホテルで行われている、不法な臓器売買。
移民、不法入国者という絶対的に弱い立場で。
それでも自分に素直に正直に、そして自分の正義に真っ直ぐに生きていく彼らの話。
ビザの為に自分の腎臓を売ろうとする移民たち。
その腎臓がないと生きられない幼い少女。
粗悪な手術で腎臓を抜き取られ、死ぬ人。
それでも、自由のために腎臓を売ろうとする。
主人公に説教されるまでもなく、それが危険な行為であることは彼らも承知で
だけどそれでも 「大したことないって聞いたわ」 と嘯く。
やぶ医者に任せれば、どんどん人が死んでいくのは明白で
だからと言って、自分がその違法な臓器売買に係わるのは許せなくて。
キウェテル・イジョフォーは、こうゆう内面に葛藤を抱えながら
それを外には出さず、
しかしそれを感じさえることが出来る、素敵な役者です。
こうゆう役をやらせるととても上手い。
間違いなく、主役はキウェテル・イジョフォー。オドリィ・トトゥじゃないね…
面白かったです。
最後のシーンで、オドリィが声を出さずに唇だけ動かしてメッセージを伝えるんだけど
そこのシーンが素敵。
社会的に絶対的に弱い立場でありながら
決して後ろ向きじゃなく、真っ直ぐ前を向いて歩こうとする。
良い映画だった。
期待してた感じじゃなかったけど
良い意味で裏切られた。
満足。
拍手、ありがとうございました~★
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