心がささくれだってる時は、何か癒しのものを補充したい。
ということで、とにかく美しい話を…と
久々に見てみました。
ネバーランド。
ジョニー・デップ主演の、ぶっちゃけ地味な映画ですが
(アクションも何もないしね)
だけど、そんなものは必要ないんだよ、ていう映画です。
内容は
劇作家のバリ(ジョニー・デップ)は新作劇が不評だったこともあり、落ち込んでしまう。
そんな時、犬の散歩で訪れた公園で偶然幼い四人の兄弟とその母親、シルヴィア(ケイト・ウィンスレット)と出会う。
この一家は少し前に主人(父親)を亡くしていた。
幼い兄弟たちと徐々に交流を深めていくバリ。
しかし、三男のピーターは父親の死のショックでなかなか心を開かない。
それでも根気強く、時に強引に、そして時に見守りながらバリはピーターの心を開いていく。
そんな矢先、シルヴィアが病に倒れる。
父親の死のことを思い出して、再び心を閉ざしてしまうピーター。
バリはそんなピーターと、他の三人の兄弟たちを見守りながら
劇 『ピーターパン』 を完成させる。
というオハナシ。
まぁ簡単に言ってしまえば、バリがピーターパンを創作する話なんだけど
原作、史実とは少し変えてあって
それがまた良いのです。
ネバーランドという一種お伽の国、または理想郷のようなものを
決しておためごかしなんかじゃなく、
大人の語る、綺麗な嘘なんかでもなく
真っ直ぐに。何処までも真っ直ぐに語り、描いた。
既婚者であるバリと未亡人シルヴィアの関係を揶揄する心ない噂や
幼い兄弟やシルヴィアとの交流が盛んになればなるほど、心が離れてしまう妻との関係。
そんな色んな葛藤と
子供たちの、まっすぐで純真な心。
好きなシーンは長男の男の子が母親のことを気遣っていて
それをバリに打ち明けているシーン。
「素晴らしいな。たったこの三十秒やそこらで、少年が大人になった」
ああ、そうゆうことがあるんだろうな、と思った。
今、目の前で子供から大人へと、階段を登ったのだ、と思う瞬間が。
決して、経験とか体験とかではなく、考え方と言うか物の見方
世界の捉え方が、子供から大人へと変容したのだな、という瞬間が。
それがまた美しい。
文句なく、良い映画。
良い映画だなぁ、と噛み締めてしまう映画。
時々、思い出したかのように。
それこそ、素敵なものの詰まった宝物箱を開けるように
観たくなる、そんな映画。
もし観たことがなかったら是非一度観て欲しいなぁ。
拍手、ありがとうございました★
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